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清水草一「フェラーリの買い方」を読んでみた

本日の内容

  • 水草一「フェラーリの買い方」を読んでみた
  • フェラーリが好き」じゃなくて「フェラーリに夢中になっている自分が好き」?
    • 媚売り競争?
    • 2000万円のフェラーリを買った得た「大勝利」の中身
    • ホストクラブに入れあげる女性みたい
  • 本としてはまとも

水草一「フェラーリの買い方」を読んでみた

水草一さんの「フェラーリの買い方」という本を読んでみました。

フェラーリの買い方 (竹書房新書)

フェラーリの買い方 (竹書房新書)

筆者は普通の人(金持ちではない)なのに、20年間でフェラーリを10台乗り換えたんだそうです。

フェラーリが好き」じゃなくて「フェラーリに夢中な自分が好き」?

フェラーリの買い方」というのはキャッチコピーみたいなもんでして、実際はフェラーリというブランドについてと、「中古を乗り換え続ければ、一般人でもフェラーリオーナーになれるよ」というメッセージです。


しかし、この本からはフェラーリという「クルマ」の魅力はほとんど伝わりません。(加速・ハンドリング・安定性・デザインの美しさ、etc。)そのかわりに、フェラーリという「ブランド」がいかに素晴らしいかなら書いてあります。フェラーリを乗り換えて行く自分の姿に、自分で自分に夢中である、ということなら伝わってきます。

私には、少し変なような気がします。

媚売り競争?

フェラーリは買ってやるものではなくて売っていただくものだとか、オプションに300万円ぐらいかかるけどそれをケチるのは極めてカッコ悪いからできれば全部つけろとか、相手はフェラーリ様だから走行中火を噴いても本社にクレームを入れるべきではないとか、なんだかフェラーリに対する媚売り競争みたいに感じられました。

本社もものすごい殿様商売(本書によると「女王様ビジネス」)だそうですけど。

2000万円のフェラーリを買った得た「大勝利」の中身

ところで、筆者は9台のフェラーリを乗り換えた時に、フェラーリが日常の営みになってた、と思ったそうです。
で、このままでは自分がダメになると思い、思い切って2000万円オーバーのフェラーリを買いました。

で、どうなったかというと「大勝利」だったそうですが、その中身が

周囲から目を丸くして驚かれ、称賛され、実物を見れば誰もが感嘆の声を漏らし、助手席に載せれば誰もが絶叫してくれます。

だそうで。「ダメになりそうな自分」が立ち直ったとか、何かを得たとか、そういうことが一切なく、ただ「フェラーリ」を絶賛されただけなのに、大勝利だった、という感覚が、どうも。

ホストクラブに入れあげる女性みたい

このあたり、私にはわからないというか、正直に言うと気持ち悪いです。そういう称賛を得るために、人生が変わるぐらいの大金をかけるというのは、どうもね。

なんだか、ホストクラブに入れあげる女性、ドンペリニヨンでシャンパンタワーをやることで周囲から称賛を得ようとする女性みたいな感じに思えます。

本としてはまとも

しかし、本としてはまともです。読みやすく、フェラーリに夢中(な自分に夢中)な筆者の姿がわかりやすく浮かんできます。筆者が自分に酔っていて読みにくかったりすることはありません。気持ち悪いとは思うものの、読んでいて嫌な感じはしません。

筆者が元マンガの編集者なので、畑は違えども、本を作る腕はしっかりしているのでしょう。ここのところ、プロの仕事というか、内容と形式は別というか、ある意味驚きではあります。


ですので、フェラーリの庶民オーナーの世界を垣間見るには、なかなかいい本だと思います。





おしまい。